始めに

laymanとは、素人・門外漢の意味であり、反対語としては玄人・専門家としてのprofesionalになると思います。
不動産鑑定基準(「基準」)には、「不動産の現実の取引価格等は、取引等の必要に応じて個別的に形成されるのが通常であり、しかもそれは個別的な事情に左右されるものであって、このような取引価格等から不動産の適正な価格を見出すことは、一般の人には非常に困難である。」したがって、「鑑定評価は、高度な知識と豊富な経験及び的確な判断力を持つ」「専門家としての不動産鑑定士の鑑定評価活動が必要となる」と記述されています。
また、「基準」では「不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価を担当するものとして、十分に能力のある専門家としての地位を不動産の鑑定評価に関する法律によって認められ、付与されるものである」とされています。
それで、私も、一応、不動産の鑑定評価については専門家と言う事になる訳ですが、ある街のどこに売出物件があるとか貸間があるかとかの物件情報や、大体の土地の価格や家賃がどの位だとかの相場や水準については、当然、その街の「不動産」屋さんのほうが詳しい・玄人な訳であり、我々鑑定士は、それらの情報を基に、対象となる不動産の公正価値(適正な価格)を評価する事になります。
この点、「基準」では、「不動産の価格は多数の要因の相互作用の結果として形成される」ものであり、「不動産の鑑定評価を行うに当たっては、価格形成要因を・・・明確に把握し、・・・十分に分析」する必要があるとしています。「要因」乃至「価格形成要因」とは、「不動産の価格を形成する要因」であり、それは、「一般的要因・地域要因及び個別的要因に分けられる」とされ、(地域要因・個別的要因についてはここでは脇において)「一般的要因」は、更に、「自然的要因・社会的要因・経済的要因及び行政的要因に大別される」とされています。
これら要因の例示としては、「財政及び金融の状態」「企業会計制度の状態」「不動産の取引に関する規制の状態」等が記載されていますが、前述、不動産の鑑定評価に当たっては、我々鑑定士は、これら要因を分析する必要がある為に、不動産鑑定士試験では、専門科目としての鑑定理論・演習の他に、行政についての短答試験・経済学と民法及び会計学についての論文試験が課されています。
無論、法律・会計については、司法試験・公認会計士試験がありますから、これら国家資格を取得されている方たちが、『専門家』であり、我々鑑定士(弁護士資格・会計士資格を別途取得されている方も多数おられますが、それらの方以外)は、法律(規制)・会計的要因等を多数の要因の中の一つとして、”素人”として、飽くまで、不動産の価格に影響を及ぼす範囲で分析する事になります。
一方、経済乃至(政治)行政については、これら国家資格はありませんから、『専門家』『玄人』とは、どの様な人達を差すかと言う事になりますが、勿論、私が”素人”である事は自明であり、一般には、経済学博士や教授・エコノミスト・衆、参議員・県会議員・政治や経済評論家と称される人達等を差すことになると考えられます。
(なお、鑑定評価書では、マクロ的要因としての一般的要因について、記載する必要があります)
所で、mutterとは、”ぶつぶつ言う事・つぶやき”の意味であり、今、はやりのツイートはtweetで(小鳥が)チッチッと鳴く、さえずりから来ていると思います。[tweetが提供されるtwitterのツイッタ―は異語同義]
上記、経済・政治についての素人である私が、何かを記すと言う事は、大変、憚られる事であり、また、ツイートと言う事も、老兵には億劫な事でもあります。
ただ、この主権在民・民主・自由・市場主義経済社会の一隅に住む市民の一人として、折に触れ、何かしら呟きたい事がある事は事実でもあります。
そこで、このLaymann's Mutterでは、主に経済的な事について、Layman's Mutter2では、主に政治社会一般的な事について、折に触れ、素人がぶつぶつ言って行きたいと考えております。