コロナウイルスその3

堤キャスター 更なるエールと期待を;2020/04/11 (土)


上記のグラフは、先の報道にあった西浦シュミレーションの図をCADに取り込んだものです。
それに、公表された日、即ち、総理の緊急事態発令会見の日である4月7日を0日とし、「2週間後、1万人」「30日後、8万人」という発言に合わせ、4月21日・5月7日を記入、更に50日後は5月27日という日付を入れました。
CADでは、スケールに合せて、グラフに記入することが可能ですので、既メールの下記表から当日新規感染者発生数を青線で、累計感染者数を赤線で記入しました。この際、8万人は縦にグラフが8倍になりますから書ききれませんが、2週間後の21日は、上述、1万人ですから、この位置と、現在の10日、1708人の位置を赤点線で結んで、表示してあります。
ですから、当座、この赤点線に沿った、新規感染者数になるかが、注視されることになります。

一方、元々の西浦シュミレーションのグラフの線の下の面積が件の∫・積分で、累計感染者数になりますから、原点から30日目の「運命の分かれ目の日」までの面積が、8万人分の面積と、私の“勘違い”がなかったら成るはずです。―これは、簡単に6千人*30日÷2=9万人、三角形でなく、中だるみ曲線だから、8万人に実際はなっている、事で説明できると思います。

で、CADでは、この面積が測定出来ますので、単位(もともとの数字は㎡)は比例計算になりますから無視して、この面積が絶対値で602となります。―これが8万人と言う感染者数に当たります。

で、試しに、青線の下の面積を測定すると約13になりますーこれは比例計算で約1700となり、現在の累計と略見合って、一応計測乃至CADの信憑性が確かめられます・

そこで、今、喧伝されているSD8割達成後の、新規感染者数激減後、5月7日・30日目から50日後・5月27日までの面積を計測すると約310となり、これは比例計算で約41千人となります。

今日、やっと、都と国の協議がついて業界自粛要請が出されましたが、その経過で、都知事が、何故早急に出さねばならないかの理由に、このシュミレーションの西浦先生が、“自粛要請”が是非とも必要の旨の話しをされていることを挙げられました。
が、もともと、危惧しているとおり、SD8割が達成されれば、あたかも、感染爆発乃至医療崩壊は起きないかの様な報道が為されている訳で有り、このシュミレーションは、更に、仮にSD8割が達成されたとしても、その後20日で、4万人の累計感染者が発生する、その可能性がある、というシュミレーションでもあった訳です。

合計で今後50日間で12万人です。

急減ばかりに目が向けられていますが、既に言われているようにSD8割は、“自粛要請”では、到底、無理で有り、私に二重の勘違いがなかったとして、総理の予測値説明は、

“SD8割でも、この後、12万人―8万人ではなくー感染の可能性がある。従って、自粛要請は国民一人一人で、必達しなければ、正に、惨禍が国民を襲う”

と、分りやすく、丁寧に行うべきであった、筈です。

で、このSD, Social Distanceと言う言葉ですが、今晩の貴番組で、岡部先生が、SDという考えは、スペイン風邪の時からある(“古い考え”とまで言われたかはどうか定かではありませんが)。確かに、ネットで検索すると、セントルイス市等で、劇場・学校等の閉鎖で感染拡大阻止対策としての効果を挙げた都市があるようです。

しかし、今、使われている用語としてのSDは、数理モデル的背景を持った言葉で有り、そのために、SD2割では効果は薄いが、8割では新規感染者は激減する、等のシュミレーションが可能となっている筈です。―スペイン風邪当時SDと言う言葉を使っていたかどうかは不確かで有り、(「医療行為以外の介入」という言葉が、浦島充佳東京慈恵会医科大学教授のブログでは使われている。)、感染病である限り、「人との接触がなければ感染しないだろう」とは、素直な推断でしょう。

そして、この数理モデル用語としてのSDは、正しく、この「接触」を数理的に解析する事を前提とする用語である、と思います。

そこで、この数理モデルを全く知らない、無知な事から出る大きな疑問が生ずるのです。

それは。このSDには二種類がある、と考えられ得るのではないかと、と言う事です。

先のCNNか何かのニュースで見た、200人の閉鎖人口の中でみた、シュミレーションですが、これに即して言えば、今言われているSD8割にするシュミレーションをやるとした場合に、そのやり方として、一つは、200人の各一人一人の行動を8割制限する方法と、今ひとつは、200人の8割160人を全く動けなくする・40人は以前同様に行動制限しないというやり方です。

何れも、200人という閉鎖社会全体で見たSDの割合は同一値となる筈です。

で、シュミレーションの結果は、同一になるのか、ならないか

数理モデル上は、どちらの方法なのか、どちらもやっての結果なのか、
どちらでもなく、全く、お門違いなのか

と言う事です。

この事について、是非、報道をして頂ければと思うのですが、それは、以下の推測が出てくるからです。

私の“勘違い”に依れば、両方のシュミレーションが可能だと思われ、その場合、後者、8割を動かなくする、こちらが、結果としての感染者数は少なくなる、と思います。―200人の一人を感染させ、その人が接触する人がβの確率で感染していき、その連鎖が続く一方、感染した人がγの確率で回復していくとした場合、各人が8割行動制限した場合と、8割が動かない場合では、200人の間の接触回数は後者が圧倒的に少ないと予想され、また、その分、接触した場合にも、γの期間が経過している・回復している確率が大きくなる、のではと思います。

それは、現実に、日本以外が取っているSD、即ち、武漢封鎖以来の、イタリア・フランス・NewYork等何れも、外出禁止=移動禁止=ロックダウンだからです。

最低限のインフラ・医療、食料、治安活動以外は禁止です。

でも、日本は、自粛です-国家・政府財政への危惧が、国民の命への危惧より大きい、と報道で既に散々指摘されています。-他番組で、甘利氏は、国としての総合的調整・バランスだと発言していました。

それだけでしょうか、

今晩の貴番組でも、岡部先生は、基本的に行動自粛は、経済への影響が大きいから基本やるべきではない、とまでは言われなかったかも知れないが、やはり基本は、医療を重症者・高齢者に優先的に割り当てていくことが重要で、そのためには、軽症者にはトリアージュ的に医療設備以外に向けていくことが重要だとのコメントでした。

で、昨日、他番組でしたが、厚労省の元医務系技官で女医の方が、やはり、基本、緊急事態発令はやるべきではなかった、何故なら、データー的には、今まで、コロナ対策は奏功しているからだと、発言されました。
これに対し、杉村太蔵氏が、そのデーター的根拠は何ですか、と聞かれたのに、女医の方は、“死亡率”が低い、都の1200人の感染者に対し30人の死亡者ですんでいる、と答えました。(その時にパネルに表示されていた数字で、うろ覚え。現在1705人40人・死亡率2.35%)-死亡者“数”は、確かに、少ない。感染者数が少ないのはともかく、死亡者数が世界に比べて圧倒的に少ないから、これは、奇跡・神の国、と言われてもいい、様な数字である。-確かに、今まではそうです。

ドイツは、4月6日現在は、感染者10万人死亡者16千人・死亡率1.6%とやや高くなっているが、日本の死亡者数が50人の時、感染者23千人死亡者数80人・死亡率0.35%位だったと覚えているから、その時、日本もPCR検査等広範に行っていれば、14~15千人位はいる、2~3千人所ではないと言っていた、言われていたと記憶する。

ドイツは、その当時から、イタリア・スペイン等に比較し医療が充実し人工呼吸器等の機器も多いから、死亡者は少ないが、感染者数が増加すれば、死亡率は上がって行くと、ドイツ自らが言っていた、と記憶します。

ドイツに比べ、日本の死亡率は高いのであるー番組で、一緒にいた、コメンテーターは、それ以上の発言はありませんでした。

既メールの通り、クラスター潰しは確かに、感染初期の段階では奏功していた。-NewYork等では、この段階がないから、現状の惨禍になっているのは間違いがないことだと思います。

でも、日本が今まで、奇跡とも言える、(感染者数はともかく)死亡者が少ないのは、β値が小さい(理由は分らないが、“相性が良い”“清潔好き”“マスク常習”・・・)(間違ったシュミレーションであれ、同じ間違いをした値の比較であるから)と言う事であり、然るべき対策が取られていなければ、何れ、感染爆発するようになるのは時間の問題、であるのはシュミレーションの通りです。

それが故に、今、西浦シュミレーションが前面に打ち出され、緊急事態が発令されたのではないか、と言えると思います。

しかし、その打ち出し方が、飽くまで、個人であれ法人であれ、“各自自粛”が基本なのです。-SD8割は、各自行動の8割削減であって、各自・国民の自覚、各自・国民の責任である訳です。

西浦シュミレーションのモデルの基本は、各自の行動制限なのか、という(元々の設問設定の間違いかとも思うが)疑問が生じてくるのです。

なぜ、都知事は、西浦氏が企業への自粛要請は必要だと、引用されたのでしょうか

西浦シュミレーションは、三重に誤解されていないか、いや、誤用されていないか、と思うのです。-私が、三重に勘違いしていれば幸いだ、と思います。

1,SD8割りでも、感染爆発・医療崩壊は起こる

2,8万人ではなく、今後50日間で12万人感染する

3,そもそも、社会活動の8割のSDで、個人・法人活動の8割のSDではない。

そして、全てのベクトルの向かう方向は一つだ、と思われます。

民主国家における私権の尊重、その裏返しとしての国民の自覚と責任

しかし、それを更に裏返せば・・・・・


で、以上は全て、西浦シュミレションと実績の整合性に帰結していく事になる、かと思われます。

 

10日現在で、先述1708人であるから、21日に10000人となるには、右側の蘭、薄黄色の発生数で明日から391人と現状のそれこそ倍以上の一日当たり発生者数となるから、果たしてという感じはします。

右下のグラフの通り、以前のシュミレーションと4月末2万人シュミレーションの趨勢の中での発生者数実績となっているので、この数字で行けば、X14~X30で6千人-4万人程度の数字になる、との見方も、大雑把、出来る様な感じではあります。-でも、感染爆発・医療崩壊の数字にはなる・・・

今日他番組で、189人という数字は大変な数字で、現状のPCR検査が3~4百件/日という能力からすれば、と言うコメントを聞いていましたが、10日まで累計の検査数が6701件と都のホームページに出ています。

先の女医の方が言われているとおり、これからは、感染者数の推移ではなく、死亡者の推移。死亡率の増減に、より注意・関心を持ち、先の大戦・東日本大震災以来の国民に取っての惨禍と言われないように、我々国民一人一人が自覚を持って行動するしかない、と言う事かも知れません。

堤キャスター、期待とエールを送ります。

貴番組の奮闘も合わせ祈念致します。

草々