コロナウイルスその4

堤キャスター、西浦教授とのダイレクト対談を!;2020/04/14 (火)

前略


 

昨日13日までの東京における新規感染者数・累計感染者数を、西浦シュミレーションに書き込んだグラフです。

総理発言の、「2週間後=4月21日、1万人」との予測値ラインも記入してありますが、一目、相当乖離があります。



また、東京での発生経過に合わせた「予測」発生ラインと「4月末2万人」感染との横浜市大モデルに合わせた発生ラインの間で、概ね、推移していた発生数が、休み明け後の数字と言う事かも知れませんが、予測ラインを下回りました。

今後21日まで8日間で、毎日500人/日の数字でも、累計では6千人強にしかならず、上記「予測」と「4月末2万人」ラインの間に収まり、到底、「1万人」には達しません。


PCR検査体制等の不備から、公表感染者数が実態感染者数を下回る事は当然あり得るかも知れませんが、それにしても、シュミレーション自体は、この公表感染者数を基に行われている筈です。
シュミレーションの数字より下回る事自体は、“良いこと”であるとは思いますが、それにしても、この大きな相違が見込まれるのは、何故なのか

そこで、上掲、CADに取込んだグラフで、累計感染者数1万人に達するのは何日になるかと思い、既メールの通り、シュミレーションのグラフ下の面積の比例配分により、計測しました。
結果、4月29日、8日遅れとの大体の計算がでました。

で、そのグラフも作って見たのですが、その時に間違いに気づきました。

それは、面積の比例配分と言う事は、新規感染者数と累計感染者数の間に線形関係がある、と言う事を意味しますが、以前メールしたモデル


の通り、感染率はβI(t)であり、線形=定数ではない、即ち、面積の比例配分で、その時点での累計感染者数は計算出来ないと言う事です。

勿論、基点Day0=累計感染者数0=面積0、乃至、終点Day30=累計感染者数8万人=面積S、自体は、そう置く訳ですから、間違いありません、
また、その基点乃終点の近傍でも成り立ちます。

従って、6千人*30日÷2=9万人~8万人、乃至、4月11日メールに計算していた基点近日付近の計算では、概ね、比例計算人数と実累計感染者数があっていた、と言う事になります。


と言う事は、公表された西浦シュミレーションで、日々の新規感染者数は把握できても、総理発言の通りの、2週間後1万人等のDay0~Day30までの中途での累計感染者数は分らない、と言う事になります。

当然、上記グラフに記入した“線形“での”実績―予測“対比は出来ても、元々の”新規“西浦シュミレーションに基づく”累計“西浦シュミレーション”対比では、実績累計感染者数は、上述、相当下回っているのか、それとも、大体、同様の数値なのか、否、実は上回っているのか、わからない。実績と予測を比較していく事が出来ない、と言う事になります。


毎日、都知事は自らSNSで新規感染者数を発表し、“自粛”を“要請“しています。
総理は、自ら、アーノルドシュワルツネッガー並みの、優雅な“自粛ぶり”を、公開しました。―二階幹事長は、“何とでも言える”とコメントされたみたいで、それはその通りだと思います。しかし、総理は、“20年大会の招致演説で、東京電力福島第1原発の状況を「アンダーコントロール」と訴え”ていた過去が有り、その通りであったか、と言う事でもあると思います。

さいたま市の保険所長さんが、PCR検査の実態を吐露された様ですが、ノーベル賞の田中耕一氏がおられる島津製作所が「評価における陽性一致率・陰性一致率はいずれも100%」で、70分で検査が出来るキットを4月20日から販売(月間生産量、10万検体分)するとの事です。もはや精度云々の問題はなくなり・言えなくなり、かつ、貴番組で昨晩報道されたような検査体制が組織されれば、現状の保健所の方々の疲弊も、早晩回復されていくはずです。


第一線で頑張っておられる方への更なるご苦労・国民への自助での“自粛”を求めるのであれば、情報の公開は最低限、行政が果たさねばならない責務であるはずです~これ無しには、民主国家として機能するその基盤が壊されます~中国の初期における対応をなんと言って批判していたのか、批判する価値がない、と言うことになると思います。


実は、新規西浦シュミレーションに基づく累計感染者シュミレーションの数字は、30日後の8万人はそうだとしても、中途の14日目の1万人の数字の基のシュミレーションは、西浦シュミレーションとは違うのでは、との“感触”があります。~上の西浦シュミレーションのグラフを見ても、新規感染者が爆発するのは20日以降ですし、「間違った計算」でも29日になっていますし、30日後に8万人となる単純なexp関数計算でも累計が4桁となるのは18日以降となるからです~ただ、これは飽くまでも“感触”ですから、正解の所は、累計シュミレーションも新規シュミレーション同様、公開して貰わないと分かりせん。


で、何故、今まで、PCR検査を広範囲に実施してこなかったのか~精度が悪い~と言いつつ、その精度については全く公開してこなかった(この点、島津製作所は自らのホームページで100%と記載したのです。)
先のさいたま市の保健所長さんの吐露があるわけですから、敢えて、公開して来なかった理由が、「病床が足りなくなる」は分ります。
しかし、では、どうして、その時点から、病床拡大に動いていないのか。指定感染症の解釈変更に動かなかったのか、と言う事になります。
この点も、個々の担当部署の権限の制約があり、動こうにも動けなかったと言うのであれば、それは、分ります。
しかし、それでは、何故、政治が出てこないのか、来なかったのかと言う事に、結局、なります。
政治の役割は、ここの行政の垣根を越える・垣根間を調整する、必要があれば立法措置を取る、いや、解釈変更で何でも実態処理している。
~のでは、と言う事です。


で、この西浦新規シュミレーションに合わせ、何故、累計シュミレーションを公開していないのかーそのような要求を誰もしていないというのかも知れないがーと、考えると、第四の誤解・誤用の可能性がある、との疑念が湧いてくるのです。

それは、新規西浦シュミレーションに基づく、累計シュミレーションでは、累計感染者数1万人に達するのは14日以降であったとしても、別(例えば、M^at~1.7^(1.25*t)等)のシュミレーションの数字と合わせて公表することにより、“現状ベース”での、感染爆発の脅威を、国民に訴えることにより、“危機感”を煽り、その分、国民に“自粛”を要請する根拠とする。
実際、補償とセットではないため、通勤状況は、やむを得ない面があるものの、週末の盛り場への自粛は相当な程度なされている、とのニュースが流れている。
また、先の、総理自粛公開も、その流れの中で“計算”された演出では、との見方も出来ないことも無いと思われます。

それで、21日に1万人を、実績値が下回る~勿論、国民の“自粛”の結果であるが、当然、政府の対策が奏功した!となる、かと思われます。
しかし、本来の累計西浦シュミレーションを上廻ったのか、下廻っていたのか、相応なのかは、我々国民は知らない・・・


そして、怖いのは、実際の脅威は、その後に来ることになる。~2週間のSD(8割でなくとも)が効果を現わしたと、3月の連休状況・気の緩みが起こり、実体的感染状況が更に悪化する。
この間、PCR検査は、中々進捗せず、実態は知りようがない・・・・30日目、累計感染者数は、8万人を超える。しかし、公表累計数は実績PCR検査者数から、かなり低い数字に納まっている。
所が、重症状態で病院に運び込まれる感染者が、その後、急増して行き死者数が急カーブで増える;120,000*2.1%=2520人(11日現在、東京死亡者数40人・死亡率2.1%)以上・・・

この時における政府対応;「充分に、コロナの危険性・危機感はお伝えした。対応策も講じた。残念ながら、国民の危機意識・自粛が不足した。遺憾に感ずる、ご冥福をお祈りする」

との、シナリオが、十分な“悪意“を持って、描くことが可能と思えるからです。

無論、この様な事はないと思うし、あってはならない事ですが、それでは、何故、西浦シュミレーションの全体を公開していないのかと言う事になると思うのです。
数理モデル上、新規だけで累計の無いシュミレーションはないと考えます。―現状ペースなら8万人との発言があるのです。

この点、既メールのとおり、大阪の3374人が1/10程度の実績であった際、その差異分析・解析の結果も公表されていない・ニュースとなっていません。
シュミレーションには信頼性がなく、アイキャッチングな数字・グラフ、政策の都合に合わせてだけ使えばよい、との判断があるのではと疑念が募るのです。


私の理解不足による“4つの勘違い”・誤謬であることを切に祈っています。


ただ、出来れば是非、西浦教授の直の説明を聞いて見たいと思っています。

貴番組に、コメンターとして呼ばれる事は出来ないのでしょうか

クラスター班のお仕事で、お忙しいと思いますので、せめて、インタビューでも収録して頂けないのでしょうか

それとも、色々な制約・困難があり、都知事が引用されたような発言しか、我々は、聞く事が出来ないのでしょうか


かの国と違い、日本は私権・人権を尊重する民主国家であるとする・言うのであれば、情報は、その礎の一つである事は論を待たないでしょう。

でなければ、言論は、単に、Goebbels的広報に堕する事になると思います。


堤キャスター、何時もながら、エールを送らせて頂きます。

貴番組の益々のご健闘を祈念致します。


草々