コロナウイルスその6

堤キャスター、何も公表していないのだ;2020/04/22 (水)

昨21日が、総理発言の“2週間後1万人”の日でしたが、PCR検査の件を考えても、乖離が大き過ぎました。
色々、“勘違い”メールを送らせて頂いておりましたが、月曜の番組で掲示されていた“SD8割のグラフ“を”読ん“でいる内に、総理発言と同時に公開された西浦シュミレーションのグラフは、何の脈絡もないことに気づきました。総理の予測値の根拠にはなっていないのに、上記乖離が不可解と”勘違い“していたのです。即ち、総理発言は、全くのそら言ではないとすれば、そのデーターも根拠・シナリオ等も何等公開していないのです。
政治的に利用できるだけ数字だけ公開している、と思わざるを得ません。

既メールの通り、情報の公開・透明性なしに、国民への要請は、対称性がないと思います。

以下、昨日中と思いましたが、送付させて頂きます。
なお、引用したブログ等は、添付メールにしました。

前略

昨晩の貴番組で紹介されていた、SD8割の時とその他のケースの比較のグラフが、全く、既メールの日経記事のグラフと形状が違うために、どこで公表されていたグラフであるかネットで探しましたが、西浦シュミレーションで検索してもヒットせず、メデイアオンリーで手交されたものかと思いました。
しかし、色々ネットサーフしておりましたら、池田信夫アゴラ研究所代表と言う方のブログで見つける事ができました。

[図1]


しかし、先の40万人死亡とのシュミレーションとの脈絡がサッパリ検討がつきません。

[図2]


ブログでも、「西浦氏は、日本では数少ない疫学理論の専門家である。彼が発表したのは「感染拡大の防止策を実施しなかった場合、重症患者が累計85万3000人になり、その49%(41万8000人)が死亡する」というシミュレーションである。・・・まずわからないのは、今、このカーブのどこにいるのかということだ。横軸の0が現在だとすると新規感染者が毎日500人ということになるが、これは4月9日ごろのデータと一致する。したがってここから放置した場合に感染爆発が起こると想定しているものと思われる。
 これだと日本の新規感染者数はこれから指数関数的に増え、4月25日には毎日1100人に激増するはずだが、これは統計データと合わない。新規感染者数は4月12日をピークに減り始め、15日には455人である(厚労省の集計)。
ここで西浦氏の説明をよく読むと、これは「新型コロナウイルスに対して何も対策をしない丸腰だった場合の数字」だという。その根拠になったのは、武漢のデータだという。これは日本が初期の武漢のように何もしないで感染爆発したらどうなるかという計算なのだ。・・・西浦氏はずっと横軸の0が現在だとすると新規感染者が毎日500人ということになるが、これは4月9日ごろのデータと一致する。したがってここから放置した場合に感染爆発が起こると想定している再生産数は2.5だと主張し続けてきたが、現実には感染者数は4月上旬でピークアウトした。
 要するに彼のモデルはデータを無視したお話であり、彼の「感染爆発する」という予言は外れっぱなしだった。これはシミュレーションではなくフィクションなのだ。」と書かれています。
確かに、初期設定日・初期値・「介入からの日数」・0日、また、新規感染者数単位とも合わせ、どう読むのか、全く、理解不能なので“フィクション”と決めつける・決めつけたくなるのも分るのですが、飽くまで数少ない疫学理論の専門家の“シュミレーション”ですから、何等かの前提を基に作成されているのは間違いないはずですから、どう理解すれば良いのか考えていましたら、ブログに「4月15日にクラスター対策班のツイッターで次のような図(=図1)が出た。」とあったのです。てっきり、40万人死亡の際に、一緒に資料として公表されていたものとばかり思っていましたので、早速「クラスター対策班のツイッター」を見ました。
それで、やっと、リ理解することができました。それは
1,日経記事のグラフが単に重症者の推移のグラフであり、既メールに『「肝心のSD8割りで「重症者や死亡者をどれくらい減らすことができるのかという推計も検討している」と、書いてありながら、その減少した数字がどの位になるのかは報道されていない」と記述しており、その推計のグラフでも、
2,上述ブログの「横軸の0が現在だとすると新規感染者が毎日500人ということになるが、これは4月9日ごろのデータと一致する。したがってここから放置した場合に感染爆発が起こると想定している」のだろうとのグラフとも、
全く、関係が無い、単に、グラフのタイトルにある「社会全体で8割の接触減が必要である理由」を、示すグラフに過ぎないと言う事です~40万人死亡シュミエーションとも現実の感染状況・感染爆発予測を示したものではない、と言う事です。
確かに、西浦教授は“実態的”Rt再生産数は2.5と判断されているようで、EU特にドイツのRtが2.5と計測されているため、“西浦モデル”でこの2.5を用いて、様々なSD対策を施した場合の効果をシュミレートされたに過ぎない、と言う事だと考えます。
従って、このモデルを評価するのには、上のグラフの三種類の、「1ヶ月・2ヶ月弱・2ヶ月」で効果が現われる、その効果実現の時間的差に注目する事が重要である。~感染爆発するかしない・現実の感染者数との比較をする事等によって、評価する為にシュミレートされたものではない、と言う事です。
もう少し、敷衍すると、「介入からの日数」とあるために、分りにくいのですが、これは、「介入によって効果が現れ始めてからの日数」と書くべきものと考え、そうすると、その「効果が現れ始め」た日を0とすれば、赤のSD8割減では15日目に{感染拡大が抑制できるレベル=新規感染者発生数100人}以下の水準に達する~「タイムラグ2週間」を考慮すれば、SD対策が1ヶ月で効果が現われる~同じように、青のSD7割では、34日目・(+14÷30=1.6≒)2ヶ月弱で効果が出る~黒の段階的では、39日目の1.8ヶ月≒2ヶ月で効果が出ますよ、というシュミレーションであると言う事だと思います。
『今晩の貴番組で、西浦教授が、総理が発言しているように極力8割でなく、「8割でなければ効果がでない」と発信しておられる、とは初めて知りましたが、正しく西浦教授の悲痛の叫び!と感じました。』と、既メールに書いておりましたが、正しく、この点を、西浦教授は改めて伝えようとしておられたのだと思います。~ただ、専門家はすぐに理解できる・理解済みの当たり前の事かと思いますが、素人・国民には分りにくい事には違いないと思います~そこに、誤解・曲解が介在してくる余地がどうしても出るかと思うのです~ブログには、『新型コロナで42万人死ぬ」という西浦モデルは本当か;架空シミュレーションで国民を脅す「青年将校」』という題が付けられています。
下のグラフは、CADに上のグラフを取込んだものです。


SD8割・7割・段階的で、日数的には15日(29日)・34日(48日)・39日(53日)という違いが出るのは分りますが、それでは、累計感染者数ではどの位の差が出る予測なのでしょうか
それで、0日までは赤線の下で同じですが、それ以降の累計数は、それぞれの線の下の面積に応じて違ってくるはずですから、測定しました。
結果、SD8割・7割・段階的に応じ、絶対値で1294・2105・4484となりました。
段階的SD対策を採ったときの累計感染者数を100とした場合、SD7割62・SD8割28、となります。
7割と8割で、SD対策の効果が倍違うのです~SD1割の差で、効果が倍違うのです=極力8割では効果が出なくなるのです。

で、その対策班ツイッターを見ていくと、西浦教授が、緊急事態発令前夜に総理が初めて公表した件のグラフの解説をされておられました。
今日が、「このままのペースであれば、2週間後1万人」の日の21日になります。


 

グラフ及び表の通り、21日は新規感染者123名累計3307名と報道されており、1万人に遙かに達しません。―これは、これで非常に良いニュースです。
当初図1と図2を、同じシュミレーションの別のグラフと考えていたために先述理解に苦しんだと同様、グラフの公表と発言が同時でしたので、東京におけるそれまでの発生状況から数理モデルで予測したシュミレーションの“言葉”と“図”での国民に対する説明と、総理発言と西浦シュミレーションを “勘違い”していました。それで、既メールの通り、
1,SD8割りでも、感染爆発・医療崩壊は起こる

2,8万人ではなく、今後50日間で12万人感染する
3,そもそも、社会活動の8割のSDで、個人活動の8割のSDではない。
と言う、3つの勘違いでなければ良いと思っていた訳です。
そして、今日、初めて、西浦教授が、上記のグラフの解説をされているのを見たのです。
先の“実態的”Rt「再生産数2.5を使い指数関数的(西浦)モデルで初期値0から計算するとSD8割りで(上記の)グラフが描けます」と。
総理発言の「現状ペースであれば、2週間後1万人・1ヶ月後8万人が予測されます」とは、全く無関係だったのです。~総理発言が全くの“そら言”でなければ、その根拠となる東京におけるそれまでの発生状況から数理モデルで予測した{シュミレーション}があるはずです。それは、全く公表されていないのです~大阪の3374人、東京の530人と言う自治体長が公表した数字の場合も、結果だけで全体のシュミレーションは公表されていなかった。~しかし、総理発言の場合は、グラフが数字と共に公開されたため{シュミレーション}のグラフと勘違いしたのです。
それで、どうも、PCRを相変わらずやりたがらないので、予測と実績の乖離が大きくなるのは仕方ないとは思いつつ、何故余りにも乖離が大きい理由を、非線形であるとか、一般的な解釈の間違いではないかとか、勘違いのままに国民の気が緩んだら大変であるとか、色々無い知恵を絞っていましたが、マルッキリ、無関係のものを、さも、関係あるが如く、“自粛”を要請する為に、示していたものである、と判ぜざるを得ないと言う事になりました。
ただ、西浦教授が「再生産数は2.5だと主張し続けて」いるとされる、その2.5によるシュミレーションが上のグラフであることには違いないので、改めて、グラフの下の面積を計算することにより累計感染者を計算してみました。
6000人☓30日の面積が5187となるのに対して30日目までの面積が584となりましたので20286人となります。(後掲予測値20705人)
30日目以降50日目までが320となり11115人換算となります。
合計32千人弱です~西浦教授が危機感を持たれるのは当然だと思います。~ただ、12万人とは大違いです。
どのような根拠で、総理が1万人・8万人の数字を出されたのかは分りません。
『新型コロナで42万人死ぬ」という西浦モデルは本当か』と、言われますが、死亡率0.43%とRt2.5で計測すれば西浦モデルは本当にそうなるのだと思います。~『何も対策をしない丸腰だった場合の数字』、その通りだからです~しかし、“架空シミュレーションで国民を脅す「青年将校」』”ではなく、「数理的に裏付けられたシュミレーションで、行政に対し警告を発し続ける真摯な学者」であると私は考えます。
4月20日現代ビジネスオンラインに奥野修司氏が、既メールで記述したように「200人モデル」を引き合いに出し、『「流行の初期の段階で早めに移動を制限することで、・・・シミュレーションの・・・、感染による死亡率が低下するということだろう。では、日本はどうだったのか。多くの人は、日本の医療体制は先進国の中でも充実していると思っているが、ベッド数は多いがICU病床数や人工呼吸器などは貧弱だ。だから、PCR検査が少なくして、医療体制が崩壊しないように感染者数を抑えるのは仕方がなかった。(が)その間に感染爆発を想定して準備しておくべきだったのに、感染病棟も準備しないうちに慌てて「緊急事態宣言」が出されている」と述べている。
また、同じ現代ビジネスオンライン4月19日に平河エリ氏が、『太平洋戦争時、神風特別攻撃隊の志願者を募るとき、・・・すべては「志願」だった。命令は存在しない。志願である。だから、上官の責任は存在しない。・・・・西浦博教授は、謝金ももらっておらず、ホテルも自分で探していると、インタビューで述べている。最前線で働く医師も、国から特別の手当を受けているわけではないらしい。なぜなら、それらはすべて「志願」して行われたことだからだ。』と述べ、既メールで指摘しているとおり『新型コロナウイルスでは「自粛要請」が行われているが、残念ながら多くの識者が指摘する通り、十分な補償が行われていない。「自粛」を「要請」するという矛盾した言葉遣いに現れているとおり、「飲食店は勝手に休業しているから補償は必要がない」ことされてしまうのだ。勝手に自粛しているのだから補償は必要ない。勝手に休んでいるのだから、生活を支援する必要はない。みんなそれぞれ「自分の意志で」休んでほしい。政治が責任を負わず、国民・市民の行動は「志願」と読み替えられてこの国は回っている。』と慨嘆されている。
しかし、先の池田信夫氏はブログで「彼の動機は感染症の専門家として感染爆発を放置することはできないという純粋な心情だろうが、その結果、日本中が大騒ぎになり、緊急事態宣言が全国に拡大されることになった。
 これは偶然とは思えない。4月7日に安倍首相の発令した緊急事態宣言も、西浦氏の「東京都で感染爆発が起こる」というシミュレーションにもとづいていた。今回も緊急事態宣言に消極的な官房長官を押し切る形で、それが全国に拡大される。・・・これでGDPが3割吹っ飛んだら、日本経済は壊滅する。日本経済は、感染症の研究者が考えているよりはるかに複雑なのだ。
 それを総合的に判断するのが政府の役割だが、西浦氏は意図的に政府を踏み超え、マスコミに訴えて自分の主張を押し通す道を選んだ。これは1930年代に日本を軍国主義に導いた「青年将校」と同じである。・・・マスコミはこぞって彼の勇気をたたえ、緊急事態宣言は「遅きに失した」という。これもいつか来た道である。』と。
全ては既メールで指摘・危惧したとおりの展開となっている、と言ったら言い過ぎでしょうか
そもそも、既メールのモデルが掲載されている論文自体(‘06年時点ではあるが)に「数理モデルは現実を完全に説明できるものではない」とある。
当然である。これだけ気象衛星を飛ばし、レーダーを配置し、膨大な数値計算をおこなっている天気予報であっても、当たらないとは、とは言わないまでもそれなりものでしかないであろう。
Rt;実効的再生産数とエクセルのe計算で、それなりの予測はできるのです。(後記)
しかし、それでは余りにも現実離れし、現実的具現的医療的・経済的・社会的対策は立てられないから、そこに、数理モデルの価値がある、と言う事だと思います。~政治として利用すべきものを政治屋的に利用してはならない、と言う事なのだと思うのです。
初めて、予測値として出てきたものは件の3374人と530人であった~充分に対応可能な数字である。(最も、後者の数字が余りにも重大局面離れしている、何等かの政治屋的利用~五輪延長決定直後・・・)
次が1万人・8万人~非常事態発令前夜
40万人死亡説~池田氏も指摘している全国非常事態宣言
何故8割SD減が必要か~対策班ツイッター
明白だと思います。
非常事態発令後2週間で、軽症者用ホテル20万室が準備できたとの報道がありました。~勝浦は経営者の申し出でによったが、クルーズ船用とまでは言わないが、何故に、クラスター潰しが有効であった1~2ヶ月の間に、PCR検査陽性者向けでホテルの手配使用が進められなかったか~高齢者・重症者用病室確保の名目でPCR検査は中々充実させられない反面、軽症者は解釈でどうとでもなるものを飽くまで指定感染症法の立て付けからと入院措置を採り続ける~22日の日経には慈恵―感染研―WHOシニアアドバイザーの進藤氏が「発症当時にウイルスの量が最も多く、感染に気づかずに動くので感染が一気に拡大した」と述べられている。現在の知見かも知れないが、当初は、風邪位だからPCR検査の必要はなく、家で寝ていてください、であった。~その当時、件の杉村太蔵氏が、若い人は仕事も有り無理では。高齢者ほど、外出せず、家にいてくださるように、と、コメントされており、如何にもと得心した次第であった事を思い出す~今朝、他局で女優コメンターが「危機感を持って行動して欲しい」と、真剣な面持ちでコメントしていた場面が、さすがに、印象的ではあった。・・・・

「政府を踏み超え」るのは、できない。~それが、民主政治だからである。~しかし、そのために、その代わりに、言論があるはずである。
政治は一致団結してこのコロナ戦に立ち向かうべきものであるが、言論は、その方向性に過ちがないように常に批判的に発信し続ける義務があるはずである。~政治翼賛・大本営発表便り、では、正しく、“青年将校”が蔓延してもらう必要があり、庶民は拍手喝采するであろう

是非、総理発言の“現状ペースでは2週間で1万人”の予測値は、幸運にも外れたのであるから、“4月21日現在ペース”では、如何なる未来が我々国民を待受けているのか質して欲しい。~その未来には、如何なる政治対策があるのかも含めて。~「引き続き、気を緩める事なく“自粛”を“要請”いたしたいと思います。」以外の言葉を。

堤キャスター、言論人としての益々のご発展を祈念致します。
貴番組へ益々期待致しております。
草々

後記

 


単なる偶然だと思いますが、前掲西浦シュミレーションの面積測定による予測値20286人とX30では似通っております。
結局、シュミレエーシンは指数関数的ですから、今後1週間毎に警戒感を増さねばと言う事になると思います。~絶対的に、“気の緩み”は、赦されないー政治的にも、という事だと思います。

下の表は、21日現在の世界の感染状況ですが、33カ国中、日本は“酷く”はありませんが、既メールの11日対比では悪化しており、「ランキング」では、感染者数・死亡者・感染者率・死亡率の順に、11日が「23/23/27/23」が21日では「21/22/24/17」と、特に死亡率が上がっています。
「11人の死後感染判明者」もおられたようですから、昨晩の貴番組でも報道されていた死亡者数に注意が肝要のようです。

なお、コロナウイルスが武漢の研究所発との報道も相次ぎ、日本人のコロナとの“相性”の良さもさることながら、Asia全体の相性の良さも、色々、今後、解明解析されていく必要があるのかも知れません。